家を建てる上(注文住宅)で知っておく必要があるのが、家の完成前にまとまったお金(自己資金)が必要になるということです。
ただ、潤沢な資金が無い限りは、大金を自己資金で賄うことはできません。
そこで、住宅ローン実行までの間の繋ぎとしてつなぎ融資が必要になってきます。
今回は、つなぎ融資がなぜ必要なのかや融資の仕組みについて解説します。
注文住宅では必須になってきますので、必ず理解しておいてください。
つなぎ融資の前に知っておこう!住宅ローンの実行が家の完成になる理由
つなぎ融資の前に何故、住宅ローンが家を完成させないと実行出来ないのかを知る必要があります。
住宅ローンを組むとき、金融機関は返せなかった場合のことを考えて担保が必要になります。
抵当権とも言われますね。
それが家となるわけです。
ということは、担保となるはずの家が無いのに「貸すことは出来ません!」ということになります。
これが、家を完成させないと住宅ローンが実行されない理由となります。
住宅ローンのハンドブックでは、難しく書いていますが、このように理由は簡単なものです。
つなぎ融資とは
大前提として住宅ローンは家が完成しないと実行されません。
完成までに必要な大きな費用として「土地代」、「着工金」、「中間金」があります。
これらの費用を支払わないと家の建築はストップしてしまいますので、住宅ローンではなく自己資金で賄う必要が出てきます。
ただ、大金を自己資金で賄うことは出来ませんよね。
そこで、つなぎ融資の登場です。
つなぎ融資を使って「土地代」、「着工金」、「中間金」を賄うことで家の建築を進めていくということになります。
出典:https://loankiso.com/column/loan/tunagi.html
つなぎ融資の仕組み
つなぎ融資は必要なタイミングで実行出来ますが、回数や金額に限度額が設けられています。
回数は3回までが多く、土地代、着工金、中間金が主な実行タイミングになります。
限度額は借り入れ額の30%〜40%となります。
ちなみにつなぎ融資は既に土地が付いていて家が完成しているマンションや建売住宅の購入には必要ありません。
あくまで、注文住宅に特化した仕組みになります。
つなぎ融資の利息や手数料の相場
つなぎ融資は住宅ローンと同等の扱いになるため、利息や手数料が発生します。
住宅ローン控除の対象外となるため、金利が高く設定されています。
金利は多くの金融機関で3%程度となり、事務手数料は10万円が相場となります。
例:1000万円分のつなぎ融資を3カ月(90日)実行した場合
利息:1000万円 × 0.03 ÷ 365日 × 90日= 73,972円
事務手数料:108,000円
融資実行額は金利と事務手数料を引いた金額となります。
融資実行額:1000万円 – 73792円 – 108000円 = 9,818,028円
上記でわかる通り、融資実行額は利息と事務手数料分(初回のみ)が差し引かれた金額となりますので、差額は自己資金で用意する必要があります。
つなぎ融資のモデルケース
年収450万円で住宅ローン借り入れ額を算出したAさんをモデルにつなぎ融資がどうやって実行されていくか見てみましょう。
●Aさんの前提条件
・借入額:3000万円
・土地代:900万円
・つなぎ融資は、土地代・着工金・中間金の3回
・1回の限度額は30%
・頭金は最終金で利用したものとする。
●つなぎ融資の前提条件
・金利は2.61% ※2017年7月度時点
・金利は変動しない
項目 | 借入額 | 借入期間 | 事務手数料 | 利息 | 融資実行額 |
---|---|---|---|---|---|
土地代 | 900万円 | 6か月(180日) | 108,000円 | 115,841円 | 8,776,159円 |
着工金 | 630万円(借入額の30%) | 4か月(120日) | 54,059円 | 6,245,941円 | |
中間金 | 630万円(借入額の30%) | 2か月(60日) | 27,029円 | 6,272,970円 | |
最終金(残金) | 840万円 |
3000万円をつなぎ融資で借りた場合、事務手数料と利息で約30万が自己資金が必要となることがわかります。
例えば、頭金から30万円を捻出すると頭金の残金は570万円となります。
このようにつなぎ融資は便利である一方、事務手数料や利息で同じ価格の建売住宅やマンションより高くなるため、注文住宅は高いと言われる一因となっています。
つなぎ融資を取り扱っている金融機関
つなぎ融資は全ての金融機関取り扱っていませんので、注意が必要です。
ここでは、つなぎ融資を取り扱っている金融機関を紹介します。
つなぎ融資を取り扱っている主な金融機関は以下になります。
・みずほ銀行
・三井住友銀行
・楽天銀行
・ARUHI
・イオン銀行
この中から、大手バンク代表としてみずほ銀行、ネットバンク代表として楽天銀行を紹介します。
みずほ銀行
●利用条件
みずほ銀行のフラット35の仮承認が下りていて、団体信用生命保険に加入できる方
●借入金額
100 万円以上 8,000 万円以内で、フラット35の借入額以下
●融資期間
1年以内
●金利
変動金利
●借入回数と借入限度額
借入回数は3回までとなり、借入限度額は以下の通り
土地購入代:売買契約金額
住宅着工金:工事請負金額の30%以内
住宅中間金:工事請負金額の60%以内
楽天銀行
●利用条件
楽天銀行のフラット35の仮承認が下りていて、団体信用生命保険に加入できる方
●借入金額
500万以上で、フラット35の借入額以下
●融資期間
1年以内
●金利
固定金利
●借入回数と借入限度額
借入回数は3回までとなり、借入限度額は以下の通り
土地購入代:売買契約金額
住宅着工金:工事請負金額の30%以内
住宅中間金:工事請負金額の60%以内
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