日本は高齢化社会になりつつある世の中ではバリアフリーを意識した施設が多くなってきました。
この流れは、私達が暮らす家でも同じことが言えます。
二世帯住宅や自分等の将来を考えたときに、生活しやすい家を考えなければいけません。
その時になったらリフォームすれば良いと考えてる方もいるかと思いますが、本当にそれで良いのでしょうか?
正直、いつ身体が不自由になるかもわかりません。
それからでは遅いのではと私は思います。
また、リフォーム代の費用が発生することを考えると、私は家作りの段階でバリアフリーとユニバーサルデザインを意識した家にするべきと考えています。
少し硬い始まりでしたが、今回はユニバーサルデザインを意識したバリアフリー住宅の考え方について説明します。
バリアフリー住宅とは
高齢者や障害がある方にとって安全で快適に生活できることを前提にした住まいということになります。
なお、バリアフリーの語源はバリア(障壁)をフリー(除く)から来ています。
これを我々が住む住宅に置き換えると、以下の通りの考え方になります。
手すりが無い → 手すりを付ける
廊下が狭い → 廊下を広くする
ドアが開けにくい → レバーハンドルを付ける
バリアフリー住宅の実例
どのような設計・間取りがバリアフリーなのか実例で見てみましょう。
玄関外のバリアフリー
玄関に階段だけでなく、スロープを付けた実例になります。
スロープを付けることで、車いすの方やベビーカーを運ぶ際に持ち上げなくて良いというのがメリットになります。
また、足不自由な方や小さなお子様が躓かないようになっています。
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玄関内のバリアフリー
車いすやベビーカーが通れるように広い玄関になっています。
また、玄関ドアのレバーハンドルや手すりなど、バリアフリーが各所に施されています。
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浴室のバリアフリー
幅が広いワイドタイプの浴槽で各所に手すりが設けられていますので、高齢の方がゆっくり出入りができるようになっています。
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ユニバーサルデザインとは
次にユニバーサルデザインについてです。
ユニバーサルデザインとは、年齢や性別・障害有無などに関係なく、居住する人にとって快適に生活できるようにと考えられたデザインのことになります。
また、将来にわたって長く快適に住み続けられるということも求められています。
バリアフリーとの違い
バリアフリーは「障害を除く」という考え方でしたが、ユニバーサルデザインは、居住するすべての人に向けた考えで「障害」が前提ではありません。
要約すると「全ての人が使いやすく」というのがユニバーサルデザインとなります。
ユニバーサルデザインの考え方
色々な考え方がありますが、私は安全性・可変性・使い勝手・住宅設備・性能の4つがユニバーサルデザインを考える上でのポイントと考えています。
ユニバーサルデザインの考えた方1 安全性
この考え方はバリアフリーと同じになります。
全ての人をが安心に暮らすためには、一番重要なのは安全性になります。
例えば、住宅内の事故の多くが階段の上り下りで発生しています。
これを安全性の面から最適な手段を考えると、「階段に手すりを設置」・「傾斜を緩くする」・「足元ライトを設置する」など対策としてあります。
高齢者や自分達が将来高齢になったときのことを、このように安全性は第一に考える必要があります。
住宅内の段差で気を付けていただきたいことがあります。
腰が掛けられるような使い勝手もよく段差自体が分かりやすくて良いですが、たった数センチのような遠くからでもわからないような段差は作らないようにしましょう。
お子様や高齢者は視野が狭くなりがちで下が見えていないことがあり躓いて転んでしまいます。
転んで何事もなければよいですが、頭を打ったとか骨を折ったとか怪我をしては、安全性があるとは言えませんので、極力小さな段差は無くしましょう。
ユニバーサルデザインの考えた方2 可変性
将来にわたって長く快適に住めるということは、リフォームや間取りの変更・設備の追加が容易でなければなりません。
特に最初は夫婦だけだから付けずにあとで付けようと考えている場合は、重要になります。
設備の追加が難しいために無駄にお金が掛かってしまいますので、家作りの段階で設備追加を前提とした設計をしましょう。
ユニバーサルデザインの考えた方3 使い勝手
だれかに特化するのではなく、全員が使いやすいということを考えると使い勝手も必要なポイントになります。
生活全体の生活動線や水回りの家事動線など生活しやすい間取りを考える必要あります。
また、トイレや浴室・ドアの開閉など若い人は使いやすいがお子様や高齢者が使いにくい場合は、考慮する必要があります。
トイレ・・・手すり、自動洗浄、トイレの広さなど
浴室・・・滑止め、手すり、ヒートショックに備えた浴室暖房など
ドア・・・引戸、ドアの開閉の自動化、レバーハンドルの設置など
ユニバーサルデザインの考えた方4 住宅設備・性能
住宅性能もユニバーサルデザインを考える上でのポイントとなります。
寒暖の差は高齢の行動範囲を狭めたり、心臓に負担が掛かってしまいます。
特に浴室と脱衣所の気温差で倒れてしまうということも少なからず事例とありますので、家の空調を工夫する必要があります。
例えば断熱材は良いものを使うが全館空調を取り入れて家の中の気温を一定にする方法や、適材適所に冷暖房を取り付けて、快適な温度を保つ方法があります。
まとめ
バリアフリー住宅は将来のために必要な設計となります。
ただ、バリアフリーを追い求めてしまうと今が過ごしにくく感じてしまいます。
バリアフリーを考えるときはユニバーサルデザインを考慮して、どの年代でも過ごしやすい家を目指す必要があります。
誰しも老いはやってきます。
その時にいくらお金が残っているのか、年金が果たして貰えるのか不安な世の中です。
特に貰えるか分からない若い世代は、家作りの初期で将来を見越した投資としてユニバーサウルデザインを意識したバリアフリー住宅を検討する価値があると私は感じています。